前回「その3」はこちら。
一旦お家を出て、先ほど見えた影の対処をします。
雨の中、お家の裏の角へ行きます。
以前からそこに霊が見えていたご長女さん(S様)と行きます。
ご長女さんには落ち武者に見えていたとのことでした。
こちらのご自宅の近くに戦国時代の武将の館跡や菩提寺があったりするのですが、
私には落ち武者には見えませんでした。
ずいぶんやつれた様子の、当時のお百姓さん(男性)に見えました。
頭からも血を流していたり、かなりボロボロの様子です。
お百姓さんに話しかけ、お話を聴いてみます。
時代は今から300年くらい前、江戸時代。
天候不良による、壊滅的な打撃で、作物が取れなかったそうです。
年貢などの取り立てを軽くしてもらうようお願いしたけれども、聞き入れてもらえず、処刑された人のようでした。
この人も、「みんなのために、自分が…」というよりは、
最初は担ぎ上げられ、嫌々リーダーにされてしまい、そのままお上との交渉に出て…と、
いろいろ不本意なことが多かったようです。
生きている私たちとは違い、
死んだ霊の時間の感覚は違います。
死んだ一番辛い瞬間のまま、止まっていることも多いです。
お話を一通り聴いた後、
お百姓さんに提案します。
「それで…これからどうしたいですか?
このまま、苦しい状態のまま、ここにいたいですか…?
こうしていても、ずっと辛い状態が続くだけなんじゃないですか…?
成仏も出来ないままですし…。
そろそろ、上に行って、成仏して、心安らかに向こうで過ごしませんか…?
上に上げるお手伝いをしますよ。」
そう提案すると、お百姓さんは、
「ありがてぇ…
お願いします。
もう、こんなに辛いのはかんべんだ…」
と受け入れてくれました。
そのまま、二人の霊を天へ上げます。
彼らも、死後もずっとこの土地に縛り付けられるのが嫌だったのでしょう。
天に上がることを受け入れた途端、きれいな穏やかな様子になって、
そのまますうっと、きれいに上がっていかれました。
私も、彼らが天で安らかに魂の修行を続けていけるように祈りました。
彼らが上がった後の場所も、きれいになりました。
さて、この後は家の中に感じていた、強い違和感について取り組んでいきます。
S様宅は、入り乱れるようにあちこちに置かれた神棚・仏壇以外にも、大きな課題があったのです。
⇨「その5」へ続く。
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